2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶シリコン集合体のフラクタル凝集次元制御と次元性の光学特性に与える影響
Project/Area Number |
19510112
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
梅津 郁朗 Konan University, 理工学部, 教授 (30203582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
稲田 貢 関西大学, 工学部, 講師 (00330407)
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Keywords | レーザーアブレーション / ナノ結晶 / シリコン / 凝集構造 / フラクタル / 自己組織化 / コアシェル構造 / 光吸収 |
Research Abstract |
本年度は凝集次元制御のための試料の作成でいくつかの方法を試みた。まず凝集構造を任意に変化させるためにナノ結晶の堆積量を減らし絶縁膜を挿入することによってナノ結晶の孤立化を試みたるこの際、絶縁層に酸化膜を用いるとナノ結晶は酸化してしまうが窒化膜を用いれば良好な構造が得られることを実験的に明らかにした。またこれと平行して表面に窒化膜を持つコアシェルタイプのシリコンナノ結晶の作成に取り組んだ。これは筆者のナノ結晶生成モデルからパルスレーザーアブレーション法ではコアシェル型のナノ結晶が簡便に作成可能であるという発想に基づいたものである。作成された試料を電子顕微鏡で観察したところ粒径が7nm程度のシリコンをコアにもち2nm程度の窒酸化膜をシェルにもつコアシェル構造が確認できた。凝集構造は表面に依存するためにシェル構造が制御できたということは凝集構造を制御するための基礎を大きく進展させたことになる。またコアシェル構造の形成は筆者のナノ結晶生成モデルの妥当性が検証されたことを意味しその意義は大きい。今後これらの試料を用いて凝集構造を観察し議論をしていく。 また従来から筆者の研究の特徴である表面が水素化されたナノ結晶に関しては凝集構造に新たな進展が見られた。柱状の凝集構造を持つ試料の柱状構造の画像解析を行ったところ一見柱の太さ、および間隔はランダムに見られる。しかし画像の濃淡を数値化し自己相関を取ったところ非常によい周期性が見られた。しかもこの周期性は表面水素被覆率を変化させることによって変化する。これは、一見ランダムに見られる凝集構造も実は何らかの規則性に従い自己組織化構造をとっていることを示す。
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Research Products
(9 results)