2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノファイバー、チューブをドープした発光材の開発
Project/Area Number |
19510115
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 伸明 Shinshu University, 工学部, 准教授 (80280577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 恒男 信州大学, 工学部, 教授 (10092892)
錦織 広昌 信州大学, 工学部, 助教 (00332677)
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Keywords | レーザー / 多層カーボンナノチューブ / 走査型電子顕微鏡 / 可視近赤外吸収スペクトル |
Research Abstract |
19年度はレーザー照射によるカーボンナノチューブの有機溶媒への分散性向上とPMMAに分散後発光測定を行った。単層カーボンナノチューブではレーザー照射による融合や断片化が報告されているが、多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)について報告はない。また、分散性の向上を検討している報告はない。 ILLIJIN社製MWCNTs(直径10-30nm、長さ10-20μm)を主に用いた。ヘキサン、トルエン、アセトニトリルにそれぞれ適量のMWCNTsを加え、1分間超音波照射を行い分散させた。照射を止めるとすぐに沈殿するためマグネティックスターラーで撹絆しながらレーザー照射を行った。YAGレーザーの2倍波(532nm、23.4mJcm^<-2>pulse^<-1>)を18,000pulse照射後の各溶媒における分散性を可視吸収スペクトル測定による500nmにおける吸光度で比較すると、アセトニトリル中が他の溶媒中と比較し2倍以上大きくなった。以後の実験はアセトニトリルを用いた。照射波長を1,064nmにすると同じfluence、pulse数で吸光度は大きくなった。また、低fluenceにおいて照射時間に依存し吸光度が上昇した。照射fluenceに対する依存性も顕著であり、93.6mJcm^<-2>pulse^<-1>では照射なしと比較し約20倍になった。レーザー照射によるアモルファス化により吸光度が増加した可能性もあるため、チューブ形状を維持しているかSEM観察を行った。93.6mJcm^<-2>pulse^<-1>照射の試料は長さが短くなっているがチューブ形状を保っていた。レーザー照射はMWCNTsの分散性向上に有効であることがわかった。 本結果はCarbonに投稿中、Carbon2008で発表予定である。
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