2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイド基板上での高密度高配向ピーポッドの創製
Project/Area Number |
19510118
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大門 秀朗 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 准教授 (20324816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正路 九州工業大学, 工学研究院, 准教授 (60264131)
|
Keywords | ナノ材料創製 / ピーポッド / カーボンナノチューブ / フラーレン / シリコンカーバイド |
Research Abstract |
C60に代表されるフラーレンや、カーボンナノチューブ(CNT)は、今日のナノマテリアルの代表として国内外で広く研究されている。CNTを基板上に高配向・高密度に作製する手法として、シリコンカーバイド(SiC)の表面分解法がKusunokiらにより開発された。CNTは中空の一次元ナノスケール材料であり、様々な物質が内包される。CNTにC60などのフラーレンを内包さたナノ複合材料は、「ピーポッド」と呼ばれている。本研究では、大面積のピーポッドを高密度・高配向に作製することを目的として、SiC表面分解法を用いてCNTを生成し、フラーレンを内包させることでピーポッドの作製を目的とした。用いたCNTは、SiC表面分解法により生成した。この手法で生成されたCNTの先端にはキャップが存在いているため、高真空中で650℃2時間の熱処理を施し、キャップを除去した。その後、C60とCNT基板を石英管内に真空封入し、超高温電気炉を用いて650℃で8時間熱処理してC60をCNTに内包させた。得られた試料を透過電子顕微鏡(TEM)で観察した。観察されたTEM像は、表面分解法で得られたCNTとほぼ同じ像が観察されたが、若干ざらついていた。回折パターンでは、CNTではスポットになるグラファイトに由来するスポットがリング状に観察された。これは、生成されたCNTがマルチウォール(MW)で比較的直径が太いため、内包されたC60が一次元構造をとらずランダムに配置していることを示している。高分解能TEM観察を行ったところ、予想通りC60がCNTの内側にランダムに詰まっていると解釈できる像が得られた。結論として、SiC基板上で、MWCNT内にランダムにC60が内包された高密度高配向ピーポッドが作製できた。
|
Research Products
(2 results)