2007 Fiscal Year Annual Research Report
凍結乾燥可能なDNA複合体の調製と固形製剤による新規遺伝子導入システムの創製
Project/Area Number |
19510119
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
小山 義之 Otsuma Women's University, 家政学部, 教授 (00162090)
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Keywords | 核酸 / ナノバイオ / バイオテクノロジー / 遺伝子治療 / 凍結乾燥 |
Research Abstract |
我々は、HAで保護されたDNA/PEI複合体は、活性を維持したまま凍結乾燥することができ、再水和後も安定に分散することを最近見出した。本研究では、極低濃度でDNA、PEI、およびHAを混合し、得られる微小な三元複合体を凍結乾燥し、少量の水を加えて高濃度のDNA複合体超微粒子分散液を調製し、そのin vivoでの遺伝子発現について検討した。 HAを加えていないDNA/PEI二元複合体は凍結乾燥・再水和すると培養細胞に於ける発現効率が極端に低下した。一方DNA/PEI/HA三元複合体は凍結乾燥後でも凍結乾燥前と同等の高い遺伝子発現を示した。凍結乾燥した複合体は、さらに4℃で5週間保存した後でも、フレッシュなものと同等の発現効率を示した [DNA]=10ug/ml以下の濃度で調製したDNA複合体は、その60%(in volume)以上が直径100nm以下の微細な粒子であった。これらを凍結乾燥し、[DNA]=200μg/mlで再水和すると、HAでコートしていない二元複合体はほとんどが数百nm以上の凝集になったのに対して、HAでコートしたDNA/PEI/HA三元複合体は、再水和後も60%が100nm以下の微粒子のままであった。 この小さな三元複合体を担癌マウスの尾静脈内に投与すると、腫瘍内で非常に高い遺伝子発現が見られた。HAコーティングによる副作用の低減、粒子サイズの小ささに加え、HAの持つ腫瘍細胞への細胞特異的な接着効果、被転写効率の改善効果が効率の良いin vivoでの発現をもたらしたものと考えられる。
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