2008 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ法を用いた「可逆な」単一生体分子等操作法の開発
Project/Area Number |
19510127
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
梅村 和夫 Tokyo University of Science, 理学部・第二部物理学科, 准教授 (60281664)
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Keywords | 原子間力顕微 / 分子操作 / 環境応答 / ナノデバイス / 表面修飾 / カンチレバー / フォースカーブ / 温度応答 |
Research Abstract |
平成20年度は2年計画の2年目にあたり、限られた時間のなかで実験内容を精査しながら研究を進めた。本年度行った実験として、プラトーチップ等の新しい形状の探針の使用が挙げられる。従来のプローブは一般的に、先端を細くすることが重視されてきており、またその形状を球と近似して曲率半径を探針形状を規定する指標として用いることも多かったが、先端を平面としたプラトーチップなどが登場した。そこで本研究にこれを導入し、プラトーチップの表面に分子吸着を行い、温度応答性ポリマーとの。その結果、一般的な探針に比べて測定がきわめて安定し、温度を変化させたときの吸着力制御が7回以上繰り返せることが判明した。通常の探針を用いるより再現性が高いことは明らかで、昨年度の実験で問題となっていた耐久性について改善がみられた。その反面、特に温度を下げて吸着しない条件とした場合に、静電相互作用と思われる力が無視できないというデメリットも明らかになった。解決策として溶液のイオン強度等の最適化が今後の課題である。当初は従来のプローブを用いた実験結果のみで20年度前半に論文発表を行う予定だったが、この結果を盛り込んだ内容とすることとした。付随して、探針の電子顕微鏡評価等も行って、フォースカーブ測定を補足する情報が得られた。さらに、新たな材料検討として温度応用性のナノ粒子を用いて温度変化させながらのAFM観察と力測定を行ったほか、試料位置決めのための基板作製も行って実験手順を簡便にすることできた。
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Research Products
(4 results)