2008 Fiscal Year Annual Research Report
液滴の表面張力を利用した微小物体のマニピュレーションに関する研究
Project/Area Number |
19510131
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 健司 Kogakuin University, 工学部, 准教授 (50251351)
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Keywords | MEMS / マイクロマシン / エレクトロウェッティング / 液滴 / 表面張力 / 撥水性 |
Research Abstract |
本研究は,電界により基板表面の濡れ性を制御して液滴を輸送するEWOD(Electrowetting on Dielectric)技術と,撥水面上の液滴の表面張力を利用した荷重支持を組み合わせ,液滴上に微小物体を支持して搬送,回転,位置決めなどを行う技術を確立することを目的としている.平成20年度は,輸送中の液滴の変形挙動を高速度カメラにより撮影し,画像解析を行った.その結果,液滴は電圧の印加によりまず進行方向に伸び,続いて後ろ側の接触角が減少して左右対称形になり,最後に後ろ側が縮んで1ステップずつ進んでいくことがわかった.その間,液滴の幅はほとんど変化しなかった.また,各ステップにおける液滴の移動速度は電圧の切り替え周波数にはほとんど依存せず,速度の上限は伸縮の周波数により制限されることが確認された.液滴を利用した物体搬送では,物体の撥水性が低いと抵抗が大きく,撥水性が高いと固体と液滴の間で滑りが生じやすくなることが実験により示された.デバイスの性能については,絶縁膜の材料や電極形状を変更することにより液滴輸送の信頼性が向上し,薄い絶縁膜によって高電圧に耐えられるようになった。また,デバイスを0度〜360度まで10度刻みで回転させ,垂直面や逆さ面での液滴輸送の実験を行った結果,すべての角度において液滴を移動させることに成功し,水滴の3次元輸送技術を確立することができた.
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Research Products
(5 results)