2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510133
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小西 聡 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (50288627)
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Keywords | パイロポリマー / MEMS / ナノ細線アレイ / 局所加熱 / 犠牲層プロセス / 半導体特性 |
Research Abstract |
本研究は、ポリマーを炭化して得られるパイロポリマーと呼ばれるカーボン材料をMEMSチップ上に導入し、新たなMEMSの可能性を開拓・展開することを研究目的としている。これまでの基礎研究および初年度の研究成果に基づき、本年度は、現在応用検討を進めている課題について、パイロポリマーMEMSのもつ利点:1)カーボン材料としての特徴、2)複雑なマイクロ・ナノ微細構造の特徴 を活かす応用展開の可能性検討をさらに進めた。また、挑戦的な内容として、微細加工技術の発展的内容として 犠牲層プロセスのパイロポリマー技術への応用を検討し、またパイロポリマーのもつ半導体特性に関する研究についても取り組んだ。 昨年度から継続し、ナノ細線アレイ(線幅450nm、線中心間距離15nm)の電気化学電極としての応用研究に取り組んだ。本研究の特徴とするMEMS技術との融合の観点から、複雑なマイクロ・ナノ微細構造の特徴を活かす研究内容である。今年度は、細線アレイの高いS/N特性を評価し、学術論文にまとめるに至っている。基礎研究の一環として継続して進めてきた、チップ上の炭素化温度限界を克服する、パイロポリマーのヒーター構造を用いた局所加熱手法についても、手法の確立と生成材料のさらなる評価を進め、成果を学術論文にまとめるに至っている。これらの成果は、上述の利点を生かしており、微細構造の特徴の活用と生成可能なカーボン材料の拡張という意味をもつ。 さらに新たに取り組んだ、犠牲層プロセスのパイロポリマー技術への応用については、消失材料であるポリマー(PMMA)と組み合わせた微細加工技術を検討した。またパイロポリマーの半導体特性に関する研究では、p型、n型の特性をもつ各種パイロポリマーの評価とその組み合わせによる応用等について研究を進め、知見を得ている。以上、MEMS上で展開可能なパイロポリマーについて新しい知見を得、今後の展開に資する成果を上げることができた。
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Research Products
(4 results)