2007 Fiscal Year Annual Research Report
評価基準の集合がポセット構造を持つ多基準意思決定問題のためのモデル構築
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19510136
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤本 勝成 Fukushima University, 共生システム理工学類, 准教授 (50271888)
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Keywords | ポセット / メビウス変 / シャープレイ値 / 意思決定 / 協力ゲーム / 組み合わせ構造 |
Research Abstract |
本年度は、開始年度ということもあり、主に,多属性・多基準の意思決定理論,組合せ論,協力ゲームの理論,グラフ・ネットワーク・マトロイドの理論,離散凸解析のそれぞれにおける離散集合上の関数とそれに関連する概念・知見の対応関係のサーベイ・整理を行った。特に協力ゲームの利得配分と提携・コミュニケーションにおけるネットワーク構造に関しては多くの知見を得た。後半部分においては、これらのサーベイに基づき、ポセットならびに束、半束上の協力ゲームとして、協力のオファーにおける非対称性を含む提携構築行動下における、フェアーな利得・費用の配分方法に関する考察を行った。これまでの、提携構築行動におけるコミュニケーションをグラフ・ネットワーク構造として捕らえ、その上でのフェアーな利得配分の方法に関する種々の研究を包含する形で、コミュニケーションにおける立場(上下関係、従属関係など方向性に非対称性を含む状況)を考慮した配分モデル・方法のクラスならびにその中の特別な分配方法を提案した。これに関しては、次年度以降、この配分方法を特徴付けるような公理系(つまり、配分ポリシーの集まり)を定めていく必要がある。一方で、ポセット・束上で定義された関数の順序に関する単調性の強さが、部分ポセット・部分束上に加法分解された際にも保存されるような、部分ポセット・束の構造に関して調査を行った。その結果として、加法分解ができれば、必ず単調性の強さを保存したまま分解できるような1つの束のクラスを規定した。また、逆に、加法分解が可能であっても、単調性の強さを保存できないような関数の存在を除去できない部分束のクラスを規定するための必要条件を求めた。
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