2009 Fiscal Year Annual Research Report
評価基準の集合がポセット構造を持つ多基準意思決定問題のためのモデル構築
Project/Area Number |
19510136
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤本 勝成 Fukushima University, 共生システム理工学類, 准教授 (50271888)
|
Keywords | 協力ゲーム / 配分ルール / ポセット(半順序集合) / シャープレイ値 / コミュニケーションゲーム / 正則集合系 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の研究を発展させる形で、協力ゲーム的意思決定の状況において、提携形成過程における (1)「コミュニケーションにおける空間的制約」(2)「各プレイヤーの立場・特性」(3)「不可能・無意味な提携の排除」(4)「提携への参加レベルの緩和」等を考慮したモデルおよびそれらのモデルにおける利得の配分ルールに関する種々の概念を提案した。具体的には、提携の集合に、コミュニケーションネットワークにより導かれるポセットの構造を入れ、そのポセット上の関数としてプレイヤーの利得構造を表現するモデル。各プレイヤーの逐次参加による全体提携形成は保障するものの、その提携形成順序に制約を課したモデル。提携形成において、参加・不参加の二者択一的な参加形態ではなく、参加・協力のレベルを設定したモデルなどを提案した。また、これらにおける各プレイヤーへの利得配分ルール、もしくは各プレイヤーの全体における重要度を表現するための指標の提案および、その一部に対しては、その公理論的特徴付けを与えた。これにより、上記(1)および(2)の文脈においてこれまで提案されていた様々なコミュニケーションネットワーク上での利得配分ルールの種々の問題点を解決すうとともに、(3)および(4)の文脈において提案されてきた様々な利得配分ルールを包括的に捉える統一概念を提案した。また、これらのルールの適用対象およびその意味付け・解釈における差異を考える上での1つの方向性に関しても、導くことができた。
|
Research Products
(6 results)