2008 Fiscal Year Annual Research Report
流通価格を考慮したサプライチェイン最適化数理モデルの構築と解析
Project/Area Number |
19510145
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中出 康一 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50207825)
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Keywords | サプライチェイン / 全体最適化 / 販売価格 / 仕入れ量 / 生産量 / 生産指示 / 施設配置 |
Research Abstract |
生産と販売が競合するサプライチェインを考察する.生産者は卸売価格と引き取り価格を決定する.販売者はその価格を知った上で自己の利益を最適にするように販売価格,仕入れ量を決定する.生産者は販売者側のこの行動を知った上で自己の利益を最大にするように卸売価格等を決定する.このモデルにおいて,顧客がある販売店に行って売り切れた場合,他の販売店に行くモデルにおいても,均衡価格が存在するとともに,販売店を変える顧客の割合や,需要と販売価格の関係が均衡価格等に及ぼす影響などを数値例を通して議論している.また,サプライチェイン最適化モデルに関連して,例えば顧客がより施設の近い方を利用するとしたときの施設の配置が,需要等にどのような影響を与えるかという問題がなされている.特に顧客は施設での利用待ち時間が短い方がのぞましい.このような待ち時間を考慮した施設配置問題を扱った.このモデルは今後,サプライチェイン全体の最適化と関係づけられることが期待される.さらに,生産システム自体の最適化に関連して,多能工をもつ生産ラインの多能工の配置が生産に及ぼす影響,また,事前に需要に関する情報が与えられているときの生産指示の方策について議論している.後者については,在庫をもつか否か,また需要情報が得られたときすぐに生産することが妥当かどうかを理論的に研究しており,このことは多工程システムのモデル,あるいはさらにサプライチェイン全体の生産指示や各工程での在庫のあり方につながる.
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