2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510149
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 克己 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10200396)
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Keywords | 生産計画 / スケジューリング / 人間の役割 / 協働的 / 階層性 |
Research Abstract |
生産計画ならびにスケジューリングの良し悪しは製造企業の競争力を大きく左右するが,それらの計画を完全にコンピュータベースで立案できるか否かは,その企業の置かれている環境に依存する.一般的には,コンピュータ系と人間系がお互いの弱さを補う形で機能することが望ましく,過去のインタビュー調査においてそのような形が採用されている企業も見受けられた.しかしながら,そのような状況においても,人間の役割が正しく評価されているとは限らない.人間の役割を十分に理解することなく,コンピュータ中心のシステムへ一度に移行することには大きなリスクが伴う. このような考えのもと,本研究ではまず生産計画とスケジューリングにおける人間の役割をインタビュー調査での成果も踏まえてシステムダイナミックスでモデル化した.この際,上位の生産計画立案と下位のスケジューリングをそれぞれ異なる担当者が行う階層的環境を想定し,両者の情報交換による協働的な意思決定が生産現場の負荷平滑化や残業生産削減につながることをシミュレーション実験より確認した. また,複数の工程を経て完成品が作り出される多段階製造環境での生産計画・スケジューリング問題について,ある企業を対象として,工程の特徴ならびに計画立案の難しさを精査した.そして,対象をロット生産工程とライン生産工程の2工程から構成されるとしたもとで,確定的な環境における階層的な生産計画モデルを構築した.対象工程をすべて包括する全体モデルは解の精度に優れるものの実際の現場では採用しにくいことより,工程順に計画を立案していく現在の枠組みの中で,解の精度をできるだけ悪化させない方法について検討した.
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