2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510149
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 克己 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10200396)
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Keywords | 生産計画 / スケジューリング / 協働的 / 階層性 / ヒューリスティック / 最適化 |
Research Abstract |
本年度はまず最も基本的構成となる2工程の生産システムを対象として、協働的な生産計画立案法の提案を行った。対象全体をひとつのモデルとして取り扱う全体最適化アプローチは一般的には採用しにくいことより、下流工程がまず階層的手順で組立計画を立案し、その計画を実現しうる素材生産計画を上流工程が作成するという現実的な生産計画のフローを想定した。ただし、このような一方向の情報の流れのみでは上流工程の状況を下流工程が考慮できず、結果的に全体としては高費用なものとなる恐れがある。そこで、上流工程にとって好ましくない素材要求になりにくい組立計画を導くモデルを新たに提案した。そして、このモデルを介して、上流工程から下流工程への情報のフィードバックが実現されることを数値例によって示した。 また、生産計画レベルとスケジューリングレベルの適切な連携を考えるに際しては、スケジューリング法のさらなる研究が必要とされる。本研究では待ちジョブの中から次に処理するジョブを選ぶヒューリスティックな手法として公平待ち行列法に着目し、半導体製造工程などにみられるリエントラント型生産ラインに適用してこの方法が有望であることをシミュレーションから示した。また、最適化を志向した方向からの取り組みとして、状況に応じて探索木を柔軟に調べていく分枝限定法をジョブショップスケジューリングに適用し、この柔軟な分枝限定法がより早い探索段階での最良解発見につながりうることをベンチマーク問題による実験から示した。
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