2008 Fiscal Year Annual Research Report
急な勤務変更への対応を考慮したナース・スケジューリングシステム
Project/Area Number |
19510151
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森澤 和子 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (60220050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 啓行 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (30117999)
平林 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80199091)
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Keywords | システム工学 / 医療・福祉 / ナース・スケジューリング / ヒューリスティック / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本研究課題は,種々の制約条件下で看護師の1ヶ月間の勤務予定表を作成するための静的スケジューリング機能だけでなく,急な欠勤者の発生時における代替勤務者選定とその日以降の勤務割当調整を迅速に行うことができる動的スケジューリング機能を兼ね備えた実用性の高いナース・スケジューリングシステムの開発を目的としている. 計画の2年目に当たる平成20年度は,主に動的スケジューリング部分の開発に取り組んだ.昨年度までに開発した静的なナース・スケジューリングシステムによって作成された勤務表にしたがって勤務を行っている状況下で,ある日の任意の勤務シフトに欠勤者が出てしまった場合に,制約条件を考慮しつつ代替勤務者の確保とそれにともなう勤務割当変更を行うヒューリスティック・アルゴリズムを提案し,その有効性を事例に基づき作成した例題に対する数値実験により検証した.その結果,提案アルゴリズムによれば,4800通りの例題のうち,93%(ベテラン以上の看護師の欠勤時について78%,中堅以下の看護師の欠勤時に限れば99%)について,各勤務の必要勤務人数制約と各看護師の勤務回数制約,必要平均スキル制約を満たし,新たに禁止勤務パターンを発生させることなく,代替勤務者案とその後の勤務割当変更案を提示できた.例題1問を解くために要した計算時間は高々10秒程度であった.しかし,欠勤発生日以降の勤務割当変更が多数の看護師に及ぶ案が提示されたケースがあり,元の勤務表からの勤務割当の変更を最小限に抑えるためのさらなる改善が必要であることも確認された.モデルの見直しとアルゴリズムの構築に時間がかかり,年度内に研究成果を学会等で発表するには至らなかったが,上記のとおり動的スケジューリングの基本的枠組みを決定し動的ナース・スケジューリングシステムのプロトタイプを完成させることができた.
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