2009 Fiscal Year Annual Research Report
急な勤務変更への対応を考慮したナース・スケジューリングシステム
Project/Area Number |
19510151
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森澤 和子 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (60220050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80199091)
長澤 啓行 大阪府立工業高等専門学校, 校長 (30117999)
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Keywords | システム工学 / 医療・福祉 / ナース・スケジューリング / ヒューリスティック / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本研究課題では,急な欠勤の発生による勤務変更への対応が可能な実用性の高いナース・スケジューリングシステムの開発を行った.開発したシステムは,看護師に事前に提示する翌月分の勤務表を現実的な種々の制約条件を考慮して自動的に作成する静的スケジューリング機能に加えて,勤務予定の当日になってやむをえず出勤できない看護師が発生してしまった場合に提示済みの勤務割当をできるだけ変更することなく欠勤を補うための代替人員を選定し,かつその日以降の勤務割当を必要に応じて修正する動的スケジューリングの機能も備えている点が特長である. 動的スケジューリングでは,まず重要な制約条件に違反することなく欠勤者の勤務を代替可能な看護師を探索して欠勤勤務を割り当て,この割当によって新たになんらかの勤務制約違反が発生した場合は当該看護師の欠勤発生日以降のいずれかの勤務を休暇に変更することでその解消を図る.その際,この制約違反解消のための休暇を新たな欠勤とみなして同様の手川頁を繰り返し適用する.このような再帰的アルゴリズムを組み込んだ動的スケジューリングシステムを提案した.その有効性を実際の病院を模して作成した4800通りの例題に対する数値実験により検証した結果,例題のうち94%について各勤務の必要勤務人数制約と各看護師の勤務回数制約,必要平均スキル制約を満たし,新たに禁止勤務パターンを発生させることなく,代替勤務者案とその後の勤務割当変更案を提示できた.また,欠勤勤務を代替する看護師の選定ルールを改善したことで,欠勤発生に伴う勤務割当変更数をほとんどの場合で10件以下(92%の例題で5件以下)に抑えることができた.例題1問を解くために要した計算時間は高々10秒程度であり,本システムは急な欠勤者の発生という即時対応が迫られる状況において勤務表作成担当者の意思決定に寄与しうると考えられる.
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