2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニュータウンにおける住民意識の変容と公共圏形成の可能性に関する研究
Project/Area Number |
19510153
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
川向 肇 University of Hyogo, 応用情報科学研究科, 准教授 (30234123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 昌弘 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (00151184)
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Keywords | ニュータウン / ソーシャル・キャピタル / コミュニティ / 住民参加 / まちづくり / 評価 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に実施した調査と調査票データの入力結果に基づき様々な分析を行い、得られた結果について、学会発表、論文交換などの形で研究成果の公表を行った。さらに、地域でのアンケート調査協力者に対して、調査に関する分析結果の一部の公開と提示を行った。また、地域自治会の代表者などに対し、地域についての住民の関与意識とその醸成についてのデータを提示しながらの意見交換を通じて、地域に関する意識への変容があるかどうかについてのヒアリング調査などを行った。 より具体的には、昨年度実施したアンケート調査の結果からは、次のような結果が得られた。再生が課題となるニュータウン地域とその周辺で段階的に開発されてきた地域との間で、住民参加意識の関与状況や住民の地域評価、課題の評価についての比較検討を行い、一部の項目においては地域に対する意識に違いがあること、とりわけ、地域への継続居住意識について違いがあることが明らかにされた。調査結果の解析から、地域活動などへの参与に関しても、伝統的な地域活動に緩やかに吸収されるような形で段階的に開発された地域の方が、一斉開発型のニュータウン地域と比べ、住民の地域に対する関心がやや高いことが確認された。居住者の住宅の保有構造に着目した時、住宅を保有する世帯の地域に対する関与意識の高さや地域に関する評価の高さが明らかとなり、住宅の保有の有無が地域における社会的活動への参加意識や評価に影響すること、そのことが地域におけるソーシャル・キャピタルの醸成に影響を与える可能性についての結果が得られた。 これらの得られた結果に関して、いくつかの学会で報告するとともに、論文の形での公表を行うとともに、学会での討論を通してこれらのニュータウン地域とその周辺地域のまちづくりとそこへの関与の問題についての諸課題と今後の研究の方向性などについての議論を深めることができた。
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Research Products
(6 results)