2007 Fiscal Year Annual Research Report
多変量解析とデータマイニングによる保険薬局の調剤過誤防止策具現化の研究
Project/Area Number |
19510154
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
早瀬 幸俊 Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy, 薬学部, 教授 (30112585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 秀彦 北海道薬科大学, 薬学部, 准教授 (70326560)
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Keywords | 品質管理 / 医療安全 / 調剤過誤 |
Research Abstract |
・今年度は、保険薬局の薬剤師と事務職に、調剤過誤防止に対する意識についてアンケート調査を行い、それを多変量解析によって分析することで、防止策に結びつく方策を検討した。 ・アンケートは4つの薬局グループに勤務する薬剤師370名と事務職234名の計604名から回収された。 ・先行研究に独自の設問項目を加えた計38項目を5件法で測定したデータを、職種別に因子分析したところ、各々5つの因子が抽出された。「上司の姿勢」「情報交流」「過誤防止への取り組み」「店舗の過誤への意識」の4つはほぼ共通しており、薬剤師の「店舗の規律」と事務職の「店舗の業務への責任感」に違いが見られた。 ・更にこれらの因子を、他の安全工学分野の先行研究を参考に、個人でコントロールできる因子とそうでない因子に区分し、共分散構造分析でモデリングを行った。 ・その結果、薬剤師では「上司の姿勢」「情報交流」「店舗の規律」が「過誤防止への取り組み」「店舗の過誤への意識」にそれぞれに影響する適合度の高いモデルが得られた。事務職では「上司の姿勢」「情報交流」「店舗の業務への責任感」のうち、「過誤防止への取り組み」「店舗の過誤への意識」両方へ影響するのは「上司の姿勢」のみであった。 ・このことから、薬剤師の調剤過誤防止への取り組みや意識を向上させるためには、「過誤発生時、もしくは定期的に会合を開き、情報の共有化を図る」、「上司は部下に対し、注意を払い、業務内容・職場環境の改善に努める」、「店舗ごとに、個人目標を立て、調剤過誤・ミスを犯さないことを最優先とする体制を整える」ことが重要であることが明らかとなった。 ・事務職に対しても「上司がしっかり指導・助言する」、「情報交換の会合へも積極的に参加させる」ことが必要であり、さらに「上司の姿勢」が重要であることから、管理業務を行なう薬剤師の資質も重要となることが示唆された。
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Research Products
(2 results)