2008 Fiscal Year Annual Research Report
安心・安全社会構築のためのシステム基盤技術の開発とその社会システムへの応用
Project/Area Number |
19510162
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田村 坦之 Kansai University, システム理工学部, 教授 (90029257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤沢 克洋 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (70304037)
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Keywords | 安心・安全社会 / 不確実性 / プロスペクト理論 / 階層的意思決定法 / 過疎・高齢化 / ソーシャル・キャピタル / 公的年金制 / 世代別積立方式 |
Research Abstract |
本研究では,安心安全社会の構築を目的としたシステム方法論の開発とその社会システムにおける具体的な課題への応用を目論んでいる. 本年度は,昨年度開発した「不確実性下のプロスペクト理論」の地球環境保全政策評価への応用を試みた.また,昨年度開発した「間隔尺度に基づくAHP」を用いて喫煙者がどのような選考に基づいて喫煙するのかを評価するとともに同じ喫煙者の脳活動状況を近赤外分光法(NIRS)によって実測した結果と比較することにより両者の乖離を明らかにした. ソーシャルネットワーク分析によるアプローチにより,過疎・高齢化が著しい農山村集落を対象として,高齢者の安心・安全な生活に重要な役割を果たすソーシャル・キャピタルの定量的計測と構造特性抽出を行った.具体的には,ソーシャル・キャピタルの人的繋がりに注目し,その多面性,重層性及び安定性を定量的に明らかにした.さらに,集落活性化構造の枠組みの中で,種々のソーシャル・キャピタルの関連性をシステム解析的視点から定量的に整理し,ソーシャル・キャピタルの役割を明らかにした.これらの結果は,ソーシャル・キャピタルの形成,蓄積に関する政策的示唆を与える点から意義が高い. 公的年金制度に関しては,現行方式の財政収支をモデル化し,世代別積立方式に移行する場合とそうでない場合の国庫負担の推移を評価した.さらに,世代別積立方式下における年金額の算定方式を提案し,その算定方式を適用した場合の世代内公平性について検討した.
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Research Products
(15 results)