Research Abstract |
本研究は,複雑系による非正規確率分布族、非ブラウン運動ベースの確率微分方程式の数理解析およびその応用においては,以下の研究成果が得られた。 まず,複雑系の基礎理論の整備および遺伝的手法の新しい展開,非正規条件下のモデリングおよびその応用においては,変動するマーケットデータなどの経済データを用いて,それらの変動を確率事象として捉え,非正規確率プロセスとして定式化を行い,混合確率モデルによるファットテール密度関数への近似法,および混合確率モデルにおけるImportance Sampling法・リスク評価法を開発した。また,それらの研究に遺伝的手法を適用し研究を進めた。ざらに非線形システム推定手法である粒子フィルタと遺伝的手法との結合、拡張についても検証を進めた。その成果としては,遺伝的手法によるシステム全体の最適化の適用範囲が新たなに拡張され,遺伝的手法による解法を深化させた。データからの規則性の発見(いわゆるデータマイニング)の基礎理論として複雑系手法を用いることを試み,意思決定過程への適用の精密化,実際のリスク管理の課題(投資決定問題,リスク回避問題等)に応用するための基礎的実験を行った。複雑系の理論と結合することにより,より精密に、効率化に分析できるアプローチを見出した。 また,非ブラウン運動ベースの確率微分方程式の数理解析によるモデル分析においては,理論モデルの開発に着手し,いくつかの理論モデルを定式し開発した。非線形システムの挙動を理論モデルで捉え,数理解析およびシミュレーションを行った。 これらの研究成果は,いくつかの論文、研究発表にまとめて発表した。
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