2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能レーダーを用いた自動車運転時の非接触バイタルサインモニタリング
Project/Area Number |
19510174
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松井 岳巳 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 教授 (50404934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 哲 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (50306502)
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Keywords | 安全システム / 生体情報・計測 / 人間工学 |
Research Abstract |
本研究では,自動車運転時におけるドライバの心拍数を完全な非接触で捉えるとともに,この取得したデータをもとに自動車運転中の自律神経系の変化を観察するシステム構築を目的とする.初年度の研究により明らかになった課題として,ドライバの体動により心拍取得が困難になることから,この体動によるノイズ処理を本年度の主な目的とした.まず,自動車の運転に伴う身体の動きを捉え,この体動が非接触計測の信号にどのような影響を与えるか調査するシミュレーションを行い,次にこの体動によるノイズの除去方法を検討することとした.運転に伴う体動の影響を調査する実験では,比較的運転による動作の小さい高速道路での追い越し運転と一般道での追い越し運転を想定した実験を行い,双方を比較することとした.高速・一般道それぞれにおける法定速度を基準として,前走する自動車を追い抜く時のハンドルの操作角度や操作速度を算出し,その時の心拍および呼吸の接触・非接触計測をそれぞれ行い比較した.その結果,高速道路より一般道の方が体動の影響を受けることが示された.次にノイズ除去については,周波数解析やウェーブレット変換による心拍の解析等を行ったが,結果として運転操作に伴う体動は心拍に由来する信号よりも大きいことからノイズ処理は非常に困難であることが示された.しかし,その体動は運転や道路の状況によりランダムに発生し,心拍のような周期性をもたないことから,周波数解析により検討することが望ましいと考えた.また,2つのセンサを設置しその冗長性を利用することで,2つのセンサに共通して混入する周期的な信号を抽出し,その周波数成分から振動数を推定する方法を検討した.この手法により,安定した信号取得と正確な心拍数計測が可能となり,比較的安定した心拍数計測が可能であることを示した.
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