2008 Fiscal Year Annual Research Report
爆風により飛散するフライングデブリの軌道予測と危険度評価
Project/Area Number |
19510175
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂村 芳孝 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (00264680)
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Keywords | 安全工学 / シミュレーション工学 / 流体工学 / 爆風 / フライングデブリ / 数値流体力学 / 衝撃波管 / カットセル法 |
Research Abstract |
H20年度は、前年度の成果を吟味しつつ、継続して数値シミュレータの開発とその検証実験を行うとともに、衝撃波や爆風による物体の飛散機構を調べた。 数値計算は圧縮性流れに対する支配方程式とフライングデブリの運動方程式とを連成させて行った。流れの計算では、直交格子上における有限体積法にカットセル法を組み合わせ、物体の移動に伴う境界条件の取り扱いを簡素化した。さらに、大規模な3次元問題を扱う際に問題となる計算時間の増大およびメモリー空間の枯渇を解決すべく、解適合格子法の導入について引き続き検討を行った。 検証実験は、現有の衝撃波管(幅30mm×高さ100mmの矩形断面)を用いて行った。衝撃波管の試験部には観測窓を取り付け、デブリ模型の運動および流れ場の観測を行った。試験気体には、大気中での爆発現象を想定し、空気を用いた。衝撃波管内で発生させた衝撃波と衝撃波管床面上に設置したデブリを想定した物体とが干渉した後に起こる物体の運動を高速度ビデオカメラ(毎秒10000フレーム)によって撮影し、軌跡や速度を解析した。この実験と同様の条件で数値シミュレーションを行い、その結果を実験と比較することで数値シミュレータの検証を行った。その結果、衝突後6ms間において、極めて高い精度で軌跡および姿勢の変化を再現できることが明らかになった。 これらの成果の一部は、国内の学術講演会で口頭発表するとともに、学術論文としてまとめ、日本航空宇宙学会論文集上で発表した。さらに、本成果の一部は、H21年度に開催される国際シンポジウムで報告し、当該分野における多くの研究者と議論を重ね、今後の研究に反映させる予定である。
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Research Products
(5 results)