2008 Fiscal Year Annual Research Report
東南海・南海地震の防災対策としての市町村火災延焼危険マップの作成
Project/Area Number |
19510179
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
謝 孟春 Wakayama National College of Technology, 電気情報工学科, 教授 (90300574)
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Keywords | 地震後火災 / 火災延焼シミュレーション / 電子住宅地図 / 東南海・南海地震 / 格子マップ |
Research Abstract |
本研究は、地震発生後の火災による被害の想定に基づいた地震に強い街づくり計画の作成などの支援とする目的で、セルオートマトン法を用いた火災延焼のシミュレーションモデルを提案した。そのシミュレーションシステムは主に地図のセル化とセルの状態遷移から構成された。地図のセル化は電子住宅地図ZENRIN ZMAP TOWN IIを用い、建物セルと空き地・道路にセルに分ける。さらに建物構造に応じて、建物セルを木造セル、防火セル、耐火セルに設定する。セルの状態を遷移するために、燃焼セルと鎮火セルも設け、定めた延焼条件に従って、各セルの延焼確率を計算する。構築した火災シミュレーションモデルを用いて、いくつかの地域に対して延焼危険マップを作成した。延焼危険マップは火災が発生した後、その地域が時間ごとに延焼拡大の様子や焼失面積、延焼確率などを示している。その延焼危険マップは地震後の火災により地域に与える被害がある程度示唆された。また、延焼危険マップから避難ルートの検証もできた。研究成果の一部を対象とする地域の防災ワークショップに公開し、地域住民の防災意識の向上に貢献した。また、地震による建物倒壊の被害を考慮した火災シミュレーションを構築し、建物の耐震性などが被害に与える影響も考察した。建物倒壊した瓦礫によって空き地の面積が縮小した結果、焼失面積が増大し、延焼拡大傾向があることはシミュレーション結果からわかった。さらに、防災対策と避難行動の検討に役に立ち、被害の軽減を図るために、将来の研究展開の準備として、火災シミュレーションに消火モデルの導入と災害救助マルチエージェントシステムを検討した。消防車の台数や到達時間の影響が消火活動に与える影響を分析し、Q学習による効率な救助活動ルールの取得を試みた。
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