2007 Fiscal Year Annual Research Report
漂流物を伴う津波氾濫流と複数流木の同時衝突確率に関する基礎研究
Project/Area Number |
19510181
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松冨 英夫 Akita University, 工学資源学部, 教授 (20134083)
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Keywords | 津波 / 氾濫流 / 漂流物 / 衝突確率 |
Research Abstract |
漂流物を伴う津波氾濫流については,実験を行い,対象氾濫流先端部における漂流物の塞き止め現象を理解・モデル化し,簡易理論を誘導した.実験との比較を通して理論の有用性も確認した.対象氾濫流の基本特性を検討し,次の知見を得た. (1)合成摩擦係数μは0.02〜0.05程度で,木材同士や木材と鋼材の摩擦係数に比べて1オーダー程度小さい. (2)大きさや形が整い,細長比が小さい木材からなる漂流物では,総合抵抗係数(=μρ_aL/P_oh_o)は3程度以下である. (3)氾濫流の規模が小さいほど,総合抵抗係数が小さい傾向にある.これは定常流の抵抗係数と逆傾向である. 複数流木の同時衝突確率については,幅1.0m,長さ8.0m,高さ0.15mの水路を製作し,定常流中に静かに投入された流木の流れ横断方向の拡散(横拡散)と漂流到達時間変動から見た流れ方向の移流拡散(縦分散)の諸特性を検討した.これらの結果を踏まえて,2本の流木が同時衝突する最も高い確率などを検討した.主な結果は次の通りである. (1)流木の流れ横断方向の通過確率分布はほぼ正規分布し,漂流距離が増加するにつれてその分散は増加する. (2)流木の流れ方向の漂流到達時間変動から見た通過確率分布もほぼ正規分布し,漂流到達時間が増加するにつれてその分散は増加する. (3)限られた実験条件の結果に基づくものであるが,複数流木の被衝突物への同時衝突確率を初めて例示した.
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