2008 Fiscal Year Annual Research Report
漂流物を伴う津波氾濫流と複数流木の同時衝突確率に関する基礎研究
Project/Area Number |
19510181
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松冨 英夫 Akita University, 工学資源学部, 教授 (20134083)
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Keywords | 津波 / 氾濫流 / 漂流物 / 衝突力確率 |
Research Abstract |
漂流物を伴う津波氾濫流については, 水理条件と漂流物条件を変えた実験を行い, 対象氾濫流の実験データの蓄積を行うとともに, 氾濫流先端部でのより的確な漂流物を取り込む過程と漂流物が氾濫流を堰き止める機構の理解を進めた. これらの実験結果との比較・検討を通して, 簡易理論(平成19年度に誘導)の有用性を再確認した. 理論と実験の両面から対象氾濫流の基本特性を総合的に検討した. さらに, 対象氾濫流の水理実験例はこれまでになく, 実験での水理量評価法を提示するとともに, その合理性も検討した. 複数流木の同時衝突確率についても, 水理条件を変えた実験を行い, 対象実験データの蓄積を行うどともに, 流木の横拡散と縦分散(移流拡散+縦拡散)の確率密度関数の再検討を行った. ただし, 横拡散と縦分散の分散(=標準偏差^2)の漂流物の種類やフルード数などの水理量への依存性はあまりにも多様過ぎて今後の検討課題として残った. これらの確率密度関数(衝突確率)と単体流木の衝突速度, 衝突力, 衝突力立ち上がり時間, 衝突力継続時間を互いに結びつけて, 複数流木の同時やほぼ同時衝突時の最大合成衝突力とその確率の一評価方法を, 上記各項目の検討課題を論じながら提示した. 限られた実験条件の結果に基づくものであるが, 複数流木の被衝突物への同時やほぼ同時衝突時の衝突力確率を論じた研究はこれが初めてである. 貯木や船などの漂流物源の実態調査は漂流物を伴う津波氾濫流対策工が実施された釧路港で行った.
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