2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510184
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
多田 卓 Tokyo University of Science, 工学部, 助教 (40349840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 祐三 東京理科大学, 工学部, 教授 (80026236)
長 郁夫 (独)産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (10328560)
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Keywords | 常時微動 / 地盤探査 / アレイ観測 / 表面波 / レイリー波 |
Research Abstract |
常時微動とは、地震等が起きていないときにも常時存在している、人体に感じられないほど微小な地盤の揺れのことをいい、微動探査法とは、地表面で常時微動を計測することにより、地下の地盤構造を間接的に推定する諸手法の総称である。微動探査の有力手法の一つである空間自己相関法(SPAC法)は、円形に配置した地震計アレイで微動の同時測定を行い、その記録の解析から表面波の位相速度分散曲線を推定するものである。 我々のグループは昨年度までに、SPAC法の理論的根拠を再整理した上で、姉妹手法として「CCA法」を初めいくつかの、新しい円形アレイ微動探査法を提唱している。本年度はSPAC法・CCA法に加えて、「HO法」「H1法」「V法」と我々が名づけている合計5種類の手法を取り上げ、これらを首都圏の2サイトで取得した常時微動の実データに適用、各手法の有効性を比較した。各手法の有効性は、レイリー波位相速度の精度良く推定できる波長範囲がアレイ半径のおよそ何倍から何倍までに相当するかによって評価した。その結果、SPAC法とHO法はアレイ半径の2-3倍から10倍程度までの、短波長側の比較的狭い範囲、H1法は7倍から30倍程度までの、長波長側の比較的狭い範囲、CCA法とV法は2-3倍から30倍程度までの、非常に広い波長範囲にわたって、それぞれ有効であることがわかった。同一のデータを解析しているにもかかわらず、有効波長範囲にこれだけ大きな差が現れる理由は、各手法の基礎方程式の数学的性質の差によりほぼ説明づけられた。 長波長領域におけるCCA法の解析能力は、微動記録に混入する無相関ノイズの影響によってほぼ規定される。CCA法の基礎方程式を解く際に、ノイズの影響を初めから補正するような仕組みを導入し、これを「ノイズ補正CCA法」と名づけて上述のデータに適用したところ、解析上限波長がさらに伸びる現象が確認された。
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Research Products
(7 results)