2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510184
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
多田 卓 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 活断層・地震研究センター, テクニカルスタッフ (40349840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 郁夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層・地震研究センター, 研究員 (10328560)
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Keywords | 物理探査 / 地盤探査 / 地震学 / 常時微動 / アレイ観測 / 表面波 / レイリー波 / ラブ波 |
Research Abstract |
常時微動とは、地震等が起きていないときにも常時存在している、人体に感じられないほど微小な地盤の揺れのことをいい、微動探査法とは、地表面で常時微動を計測することにより、地下の地盤構造を間接的に推定する諸手法の総称である。微動探査の有力手法の一つである空間自己相関法(SPAC法)は、円形に配置した地震計アレイで微動の同時測定を行い、その記録の解析から表面波の位相速度分散曲線を推定するものである。 地表を伝わる表面波には、レイリー波とラブ波の2種類がある。標準的なSPAC法では普通、微動の上下動記録をもとに、レイリー波の位相速度だけを推定する。具体的な推定方法にはさまざまなバリエーションがあるが、基本的には、単独の方程式を単純逆算するだけでよい。 ラブ波速度を推定する手法も、既存のSPAC法理論の枠内で知られているが、その手順はやや煩雑である。微動の上下動と水平動2成分、合わせて3成分の記録をもとに、3つの方程式を連立して解かなければならない。 本年度我々は、連立方程式を解かなくても、単純逆算により簡便にラブ波速度を求めることのできる、新しい解析手法「SPAC+L法」を開発した。必要な入力データは、アレイ各点での水平動2成分記録だけであり、上下動記録は使用しない。また、微動に含まれるレイリー波とラブ波の相対的なパワー比を、連立方程式を解かないで単純演算により推定することのできる、新しい手法も開発した。必要な入力データは、アレイ各点での上下動と水平動1成分記録(中心点のみ全3成分記録)である。 以上に述べた2つの新手法と、標準的なSPAC法、さらにはSPAC法をもとにして我々が前年度までに開発した種々の新手法を全部ひとまとめにして、汎用性の高い微動解析ソフトウェア・パッケージを作成し、これをBIDOと名づけて、学界内での普及に努めた。
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[Presentation] Analysis of Love-wave components in microtremors2010
Author(s)
Taku Tada, Ikuo Cho, Yuzo Shinozaki
Organizer
7th International Conference on Urban Earthquake Engineering(7CUEE) & 5th International Conference on Earthquake Engineering(5ICEE)(第7回都市地震工学国際会議+第5回地震工学国際会議)
Place of Presentation
東京工業大学大岡山キャンパス(東京都)
Year and Date
2010-03-03
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