2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510192
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西山 浩司 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (20264070)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80038025)
松浦 知徳 防災科学技術研究所, 水土砂防災研究部, 統括研究員 (10414400)
|
Keywords | 豪雨 / 異常気象 / 熱帯の海面水温分布 / NCEP再解析データ / パターン認識 / 自己組織化マップ / 台風 |
Research Abstract |
本研究課題では、日本列島の異常気象の1つである豪雨頻度の増加について、その要因を解明し、将来の温暖化を議論する際の基礎資料として整理することを目的とする。1年目の研究では、NCEP再解析データを利用して、地球上の異常気象をもたらす熱帯の海面水温分布をパターン化し、台風の発生位置と進路との関係について考察した。そのパターン化には、パターン認識技術の自己組織化マップを適用した。 その結果、エルニーニョ、ラニーニャに関連するパターンやその両局面の移行期と考えられるパターンなど、概ね、熱帯の海面水温分布パターンを表現することができた。次に、熱帯の気象パターンが日本列島との気象とどのように関連づけるかについて考察した。熱帯の気象パターンは、PJパターンなどのテレコネクションを通して、日本列島の気象に影響を及ぼすことがわかっているが、そのメカニズムは複雑で、特に日本列島の豪雨を議論する場合には、太平洋高気圧の強度・範囲をどのように指標化するかが1つの課題となる。しかし、その点を解決することは容易ではないため、視点を変え、台風の発生と進路に着目して、熱帯の気象と日本列島の気象を結びつけることを考えた。その理由は、1)台風が熟帯域で発生し、2)台風の上陸・接近に伴って、大量の水蒸気を供給し、日本列島の気象に大きな影響をもたらすためである、以上踏まえて、熱帯海面水温パターンと台風の発生位置・進路との関係を調べた結果、水温パターンが過去30年で大きく変動する一方で、日本列島(西日本対象)に上陸した台風の発生数や進路に関して、水温パターン間で特徴的な違いはなかった。しかし、日本に上陸する台風発生域(西太平洋城)の範囲を調べてみると、その範囲は、最近20年で東方に拡大する傾向にあることがわかった。これは、従来水温が低い太平洋東部で水温が高い傾向を示している。
|