2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウスROSA26ES細胞に相当する霊長類ES細胞の恒常的発現部位の同定と利用
Project/Area Number |
19510199
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
池田 たま子 Jichi Medical University, 医学部, 助教 (10406035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花園 豊 自治医科大学, 医学部, 教授 (70251246)
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Keywords | サルES細胞 / ROCK阻害剤 / GFP / ROSA26 |
Research Abstract |
目的:ES細胞に導入した遺伝子は、分化後にsilencingを起こしやすい性質がある。そのため、ES細胞の遺伝子導入において、安全な上に分化後の恒常的発現が期待できる特異的部位の発見が必要である。マウスES細胞株(ROSA26)は、ROSA(mouse Chromosone6)という部位に、β-Gal遺伝子が組見込まれており、未分化〜三胚葉分化後も、β-galの発現は低下しない。そのため、このROSA部位は、恒常的遺伝子発現部位として、「相同組換え」に利用されている。一方、サルを含む霊長類ES細胞では、恒常的発現部位(ROSA相当部位)が見つかっていない。そこで、平成19年度は、サルES細胞における恒常的発現部位の発見と同定を行った。 方法・結果:蛍光タンパク(GFP)発現サルES細胞株を用い、未分化状態、さらに、免疫不全マウスに移植し奇形腫(テラトーマ)を作製した。その結果、このサルES細胞株は、未分化〜三胚葉分化後も、GFPを恒常的に発現しており、発現低下もみられないことを確認した。この細胞株に遺伝子導入されているGFPの部位を、Inverted-PCR法等を用いて、解析を行っている。ヒトやサルES細胞の株化は、単細胞培養ができない為、困難である。しかし、ヒトES細胞にROCK阻害剤を作用させることにより、単細胞培養が可能(Watanabe, Nature biotech, 2007)になったという報告があった。そこで、我々は、サルES細胞でも、同様の結果が得られるかどうかも検討した。その結果、サルES細胞でも、ROCK-inhibitorにより単細胞培養が可能であることがわかった。 考察:平成20年度は、部位の同定ができ次第、自殺遺伝子搭載の相同組換えベクターの構築を行い、さらに、ROCK-inhibitorを用いて、相同組換え法を行う予定である。
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Research Products
(2 results)