2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼIの活性化の分子基盤とリボソーム合成調節との階層性
Project/Area Number |
19510200
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
禾 泰壽 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (60101937)
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Keywords | 分裂酵母 / RNA polymerase I / rrn3 / rpa21 / DsRed / 機能保存 / 核小体 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
1)分裂酵母RNAポリメラーゼI(pol I)サブユニットKer1pとrDNA遺伝子転写因子Rrn3pの核-細胞質間移動:RNAポリメラーゼIサブユニットKer1pとDsRed(赤色蛍光タンパク)、rDNA転写因子Rrn3pとDsRedの各々融合遺伝子を構築し、分裂酵母の染色体上の本来の遺伝子と置換した。各置換株に核小体タンパクフィブロイン(fib)とGFP(緑色蛍光タンパク)の融合遺伝子fib-GFPを導入し核小体を緑色蛍光でマークした。Ker1pサブユニットと転写因子Rrn3pが細胞増殖時と増殖停止時で、各タンパクの局在性変化をこれら二重蛍光標識細胞で調べたところ、増殖停止時にRrn3pは核(核小体)から細胞質に移動している可能性が示されたがKer1pについては明確ではなかった。今後、Ker1pが細胞増殖状態依存的に局在変化する可能性を追求する。またPolI免疫沈降(RPA140-FLAGを用いる)でも解析を進める。 2)Rrn3pと相互作用するタンパクの同定:酵母Two-hybridシステムで探索した結果、Rrn3pのC末端側(385 amino acid-599 amino acid)がRrn3pと結合することを見いだし、しかもrrn3の全長、N末端側では相互作用しない事が明らかになった。Rrn3pC末端側分子内相互作用がRrn3pの活性調節に関係している事が示唆された。またRrn3pと相互作用する主要なタンパクとして40SリボソームタンパクS0が同定された。もしRrn3pが遊離のリボソームタンパクS0を識別するならrRNA合成とリボソームタンパク合成の階層性を明らかにする重要なキーとなる可能性がある。今後この40SリボソームタンパクS0とRrn3pの相互作用を詳細に解析する予定である。 3)P.Thuriaux(France)とS.cerevisiae Rrn3pとPol Iの相互作用解析の共同研究で、Rrn3pがPol IにリクルートされるのはPol IサブユニットA43(RPA21)による事を出芽酵母-分裂酵母chimera gene A43-RPA21で解析し、その研究過程でPol IサブユニットA49がRrn3pのPol Iからの遊離に機能している事、A49とA43がPol I上で相互作用していることを見いだし、Pol I-Rrn3p機能解析を進めた(Mol. Cell. Biol. 28:1596-1605)。 4)分裂酵母のRrn3pは出芽酵母のrrn3変異を相補することを見いだし、Rrn3pの進化上の機能保存を示した。
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