2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体内選択的スプライシング可視化技術によるスプライシング制御機構の解析
Project/Area Number |
19510203
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒柳 秀人 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 講師 (30323702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 章英 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90436618)
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Keywords | 線虫 / 選択的スプライシング / レポーター / 可視化 / 遺伝学 / RNA結合タンパク質 / mRNA前駆体 |
Research Abstract |
代表者らは、蛍光タンパク質(GFP/RFP)を利用した生体内選択的スプライシング可視化線虫作製技術を応用して、生体における組織特異的選択的スプライシング・パターンの可視化に成功した(Nature Methods,2006)。さらに、線虫FGF受容体のリガンド特異性を制御する組織特異的選択的スプライシングのレポーター線虫を用い、GFP/RFPの強度比を指標に、多数の筋組織特異的スプライシングの変異体を単離し、このFGF受容体遺伝子の選択的スプライシングの制御因子として、Fox-1ファミリーのASD-1,FOX-1と筋組織特異的なSUP-12の3種類のRNA結合タンパク質を同定た。そして、Fox-1ファミリーとSUP-12がそれぞれUGCAUGとGUGUGの隣り合う2つの配列に特異的に協調しながら結合して筋特異的選択的スプライシングを制御すること見出した。(Mol Cell Biol,2007)。この結果は、Fox-1ファミリーによる組織特異的選択的スプライシング制御機構が線虫においても保存されていることを初めて示すものとなった。同様の手法で、発生段階依存性を示す線虫コラーゲン遺伝子の選択的スプライシングについてもレポーター線虫を作製し、変異体の解析を行って、進化的に保存されたSTARファミリーRNA結合タンパク質ASD-2が発生時期特異性を制御していることを示した(Genes Dev,2008)。この成果は、スプライシング部位の相対的な強弱や制御因子によるスプライシングの促進機構が連動してイントロン除去の順序を制御することによりスプライシング・パターンの厳密な切り替えが実現していることを、生体内で初めて実験的に示すものとなった。
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