2007 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおけるケミカルフェノームと新規表現型スクリーニング系の開発
Project/Area Number |
19510206
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
黒森 崇 The Institute of Physical and Chemical Research, 機能開発研究グループ, 研究員 (80332295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能年 義輝 独立行政法人理化学研究所, 植物免疫研究チーム, 研究員 (70332278)
明賀 史純 独立行政法人理化学研究所, 機能開発研究グループ, 研究員 (10342859)
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Keywords | シロイヌナズナ / フェノーム |
Research Abstract |
モデル植物シロイヌナズナは変異体リソースが充実したことにより、全ての遺伝子に関して一遺伝子破壊系統を確立することが可能となりつつある。このことによりシロイヌナズナは変異体を用いて全遺伝子の機能を調べること(saturation mutagenesis)が実現可能な、多細胞生物では唯一のモデル生物種であると捉えることができる。これまでに数千の遺伝子の変異体について形態異常を指標とした網羅的な表現型観察は試みられているが、目視で見付けることが難しい表現型を包括的に探索している例はほとんどない。そこで本研究課題では、シロイヌナズナの遺伝子破壊型変異系統を用いたフェノーム解析の一端として、化合物等を用いた包括的な表現型解析を行うことを目的とした。各遺伝子変異体の生育環境条件によって現れる表現型の探索と変異体ラインの化合物添加による新規表現型スクリーニング系の開発を目指している。これまでに、化合物等を植物体に与えた場合に見られる表現型を網羅的に探索するために、ハイスループットな化合物応答試験の構築に向けた検定実験を行った。対象としたのは植物の初期の育成段階である種子からの発芽とその後の幼苗育成に与える影響である。予備実験の結果、マルチタイタープレートを利用して、培地によらずに直接シロイヌナズナの種子の発芽と幼苗育成の時期における育成状態を観ることが可能であることが分かった。マルチタイタープレートでの生育の様子はスキャナーで取り込み、デジタル画像としてデータ化を行っている。遺伝子破壊型変異ラインを系統的に利用する試みとして、植物のストレス応答性に関わる植物ホルモンであるABAを用いて0.5μMから2.0μMまでの範囲を指標として生育状況の観察を、また植物へ与えるストレスとして代表的なNaClを用いて50mMから150mMの範囲を指標として生育状況の観容を始めている。
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Research Products
(11 results)