2008 Fiscal Year Annual Research Report
HLA結合性ペプチド予想システム構築とワクチン開発
Project/Area Number |
19510209
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宇高 恵子 Kochi University, 教育研究部医療学系, 教授 (40263066)
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Keywords | 免疫学 / ゲノム / 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 医療・福祉 |
Research Abstract |
1.H19年度までに作製したHLA-A*0201, A*0206, A*2402結合性ペプチド予想プログラムを活用して、白血病細胞で高発現され、腫瘍標的抗原として有望なAurora kinase A, CML66について、結合性ペプチドを同定した。これらのペプチドについては、愛媛大血液内科安川正貴教授との共同で、現在、ヒト末梢血単核球から、ペプチド反応性T細胞の誘導を試みている。 2.新規に同定したペプチドに特異的なT細胞の解析をするため、HLA-A*2402遺伝子および、β2-microglobulin遺伝子を大腸菌に導入し、リコンビナントHLA-A*2402分子を作製して、これに任意のペプチドを会合させる技術を身につけた。さらに、これらの4量体を作製して蛍光標識試薬としてT細胞の解析ができるようにした。今回改善できた点は、HLA-A*2402遺伝子を一部改変して、大腸菌で大量発現が可能になったことである。 3.悪性固形腫瘍を標的としたWT1腫瘍抗原ペプチド免疫療法において、H19年度までに動物実験を行った百日咳全菌体ワクチンを免疫賦活剤として添加することにより、細胞傷害性T細胞(CTL)の細胞傷害活性を高める方法を用いて、臨床第1/II相試験を行った。現在、目標24症例の登録が終わり、これまでに、最低3ヶ月の治療後にRECIST評価基準により、SD(stable disease)と判定された症例が19症例中8例(42%)観察された。免疫賦活剤なしの同様の試験では2割であったことから、免疫賦活効果がヒトでも期待できることがわかった。
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