2008 Fiscal Year Annual Research Report
標的タンパク質探索のための新しい光クロスリンク官能基の開発
Project/Area Number |
19510213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細谷 孝充 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (60273124)
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Keywords | 光親和性標識法 / アジド / ジアジリン / 非放射性 / Click反応 / アセチレン |
Research Abstract |
本研究の目的は、以前我々が開発したアジド基の特性を活用した非放射性光親和性標識法をさらに有効なものにするために、光反応性部位と検出用タグ(脂肪族アジド基)とを一体化させた、よりコンパクトにした新たな光親和性標識用官能基の開発である。前年度に、そのような検出用タグー体型官能基としてアジドジフルオロメチルジアジリニル基を設計し、その合成に成功するとともに光反応性の検証を行った。本年度は引き続き、エチニルジフルオロメチルジアジリニル基の開発を検討した。本官能基は、光反応基としてカルベン前駆体であるジアジリニル基を、また、検出ユニット導入用タグとしてエチニル基を有している。エチニル基は、構造上コンパクトかつ低極性であり、プローブ化に伴う生物活性の失活を最小限に抑えることが可能であると考えられる。検討の結果、本官能基を有するベンゼン誘導体の合成に成功した。つづいて、本官能基の光反応性について検討を行った。重メタノール中でジアジリニル基の光反応条件下で反応を試みたところ、主生成物として期待した重メタノール付加体が収率よく得られ、エチニル基は未反応のまま残存することが判った。さらに、光反応生成物中のエチニル基が検出用官能基の導入に用いることができるかどうかを検討した。各種アジド化合物とのHuisgen 1,3-双極子環化付加反応(Click反応)を検討した結果、環化付加生成物が高収率で得られることが判った。 以上、本研究によって開発されたエチニルジフルオロメチルジアジリニル基は非放射性光親和性標識法に有用な官能基であると考えられ、今後、本官能基を有する光親和性標識プローブを用いた標的タンパク質の同定に向けた研究の推進が期待される。
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Research Products
(4 results)