2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖に関わるO_2^-生成型NADPH oxidaseの分子基盤と活性化機構
Project/Area Number |
19510219
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田村 実 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (00128349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
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Keywords | 酵素 / 生体生命情報学 / 発生分化 / シグナル伝達 / 活性酸素 |
Research Abstract |
ヒト大腸癌の培養細胞であるCaco-2のNox1を無細胞系で活性化することに世界で初めて成功した。培養したCaco-2細胞から形質膜画分を分離し、一方、遺伝子工学により2つの活性化因子Racとp51^<nox>の融合タンパク質であるp51N-Racを創成した。形質膜にこの融合タンパクと補酵素FADを加えると酵素Nox1が活性化され、電子供与体の添加によりスーパーオキシドO_2^-が発生した。電子供与体として、NADPHが親和性においても、反応速度においてもNADHよりはるかにまさっていた。したがって、本酵素はNox2と同じく、NADPH特異的であることが判明した。Nox2の場合と異なり、Nox1の活性化にはSDSなど両親媒性アニオンの存在が不要であった。このことはNox2の存在する好中球の膜とCaco-2形質膜との組成の違いに起因していると思われた。酵素活性はフラビン酵素阻害剤であるdiphenylene iodoniumで阻害された。この系にもうひとつの活性化因子であるp41Nを加えた場合、V_<max>はいくらか増加したが、EC_<50>は変わらなかった。至適条件でのスーパーオキシド生成のV_<max>はおよそ1,100(nmol/min/mg形質膜タンパク質)であった。p51NとRacの分子内相互作用が損なわれた変異体p51N-Rac(A27K)はほとんど活性化を起さなかった。以上のことからp51^<nox>とRacはNox1活性化において最小限必要な因子であることが示された。さらに、p51N-Racは好中球の酵素であるNox2も活性化することが見い出された。このことはp51^<nox>がNox1のみならず他のNoxも活性化する多目的な活性化因子であることを示した。
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Research Products
(7 results)