2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖に関わるO2-生成型NADPH oxidaseの分子基盤と活性化機構
Project/Area Number |
19510219
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田村 実 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (00128349)
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Keywords | 酵素 / 生体生命情報学 / 発生分化 / シグナル伝達 / 活性酸素 |
Research Abstract |
1.大腸癌細胞のNox1-活性化と性質 ヒト大腸癌細胞Caco-2のO_2^-生成酵素Nox1を無細胞系で活性化することに成功した。すなわち培養したCaco-2から形質膜を分画し,活性化因子Noxa1(p51)とRacの融合タンパク質Noxa1N-Racを加え、電子供与体を添加するとO_2^-が発生した。この系について次のことを見いだした。i)本酵素の電子供与体はNADPHであり、補酵素としてFADが必要なこと。ii)活性化に両親媒性アニオンは不要であること(Nox2無細胞系と異なる点)。iii)もうひとつの活性化因子と目されるNoxo1N(p41N)はNox1活性をいくらか増加させること。 iv)Noxa1NとRacの分子内相互作用が損なわれたNoxa1N-Rac(A27K)では殆ど活性化が起きないこと。v)Noxo1全長はNoxo1Nより高い活性化能をもっていること。vi)Caco-2を予めTNFαで刺激しておくと、無細胞系でのNox1活性が4倍に上昇すること。これは刺激によりNox1の発現が亢進したものと考えられるが、同時にNoxo1の発現も亢進していることが推定された。 2.血管平滑筋細胞のNox1-活性化と性質 血管平滑筋細胞A10について,形質膜を分画し、上述のNoxa1N-Racを加えて無細胞系でNox1の活性を見ることに成功した。この場合血管平滑筋における活性化因子と目されるp47による活性化が見られた。O_2^-生成活性はA10を予めアンジオテンシンIIで刺激しておくと40%ほど上昇した。 3.新たな活性化因子の検索 β-Pixを大腸菌で発現させ精製を試みた。今後このβ-Pixを用いて、Nox1活性化への関わりとシグナル伝達における役割について細胞と無細胞系両方を用いて検討してゆきたい。その他安定化因子と思われるβ-アクチンについてこれを簡便に得る方法を確立した。
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Research Products
(4 results)