2007 Fiscal Year Annual Research Report
繊維芽細胞成長因子(FGF)21の機能発現に関わる分子の同定
Project/Area Number |
19510227
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (20446115)
|
Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 情報伝達 / 代謝調節 / 糖尿病 / 膵臓β細胞 |
Research Abstract |
長らく不明であった線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor:FGF)21の機能が明らかになりつつある。意外にもFGFの名称と異なる代謝制御への関与がわかってきた。我々はFGF受容体1C型が膜タンパクβKlothoと結合することで、FGF21の情報伝達が可能になり、糖取り込みが亢進する分子機構を3T3-L1細胞を用いて明らかにした(Ogawa, et. al., PNAS 104(18):7432-7,2007)。 本研究では、1)FGF情報伝達系が代謝調節に関与する分子機構の解析、2)糖尿病などの代謝異常疾患との関わりを明らかにする事を目的としている。 FGFはヘパリンを介して細胞膜上に局在・2量体を形成する。受容体の活性化にもヘパリンによる2量体構造が重要と考えられている。しかし、FGF21を含むFGF19サブファミリーはヘパリン結合領域が欠失、内分泌因子として挙動する仕組みを示した(Goetz, et. al., MCB 27(9):3417-28,2007)。この結果は、FGF19サブファミリーの情報伝達に必須であるKlothoファミリーが、FGF19サブファミリー特異的なヘパリン様作用、ひいては組織特異的作用がKlothoファミリーの発現に依存する可能性を示唆する。 一方、膵臓β細胞においてFGF受容体1C型特異的に機能を阻害するとII型糖尿病が誘導される。我々は発症に至る分子機構の一端が、FGF21・βKlotho依存的な情報伝達機構にあると想定し、膵臓β細胞でのβKlothoの発現、また、FGF21に反応する事を確認した。 現在、分化した細胞株・個体を用いた実験を想定し、ウイルスによるβKlotho発現制御系の開発を進めている。
|
Research Products
(3 results)