2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510237
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 みどり Kyushu University, 大学院・農学研究院, 助教 (20294910)
|
Keywords | 植物 / 昆虫 / 生態学 / 多様性 / 進化 / 種子発芽 / マメ / マメゾウムシ |
Research Abstract |
本年度は、マメゾウムシが成虫羽化に至るまで最大限に食害した種子を用いて発芽実験を行った。タイで実験に用いた22種のマメ科種子のうち13種のみが発芽し、食害種子はひとつも発芽しなかった。ハンガリーでも、実験に用いた8種のうち4種のみが発芽し食害種子については同様の結果だった。非食害種子のみに注目すると、発芽率は、採集年や形態(草本か木本)の影響はなく、系統の効果(亜科間または属間の違い)があった。 Fabeae亜連(Vicia属、Lathyrus属、Pisum属)の種子サイズとBruchus属マメゾウムシの体サイズは強い正の相関があり、これまでに報告されている一部の種子内部食昆虫と資源サイズの関係を裏付けた。さらに、Bruchus属マメゾウムシの幼虫穿孔力と成虫体サイズの間に正の関係が認められ、大きいほど深く穿孔できることが判明した。 植物-昆虫相互作用の多様性に関する2つの進化仮説を、Fabeae亜連のマメ科種子とBruchus属マメゾウムシの関係において検証した。その結果、体サイズと食性幅の正の関係(Wasserman and Mitter,1978)は棄却された。資源サイズと種多様性の負または正の関係(Janzen,1969;Szentesi and Jermy,1995)も棄却された。 タイ産Bruchidiusの新種1種を記載し、これを含むBruchidius第一群を雄交尾器形態によって再定義し、この群がネムノキ亜科と強く関連(寄主利用)することを明らかにした。
|
Research Products
(8 results)