2010 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼国ツバルにおける環境破壊とそれに対する適応戦術に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
19510252
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 政徳 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (40128583)
|
Keywords | ツバル / グローバル化 / イギリスの植民地 / 環境破壊 |
Research Abstract |
本年度は、11月から12月にかけて、イギリスのロンドンでツバルの自然環境に関する文献資料や植民地統治期の文献資料を調査した。これまでの3年間の研究で、ツバルで生じている自然環境破壊の原因が、温暖化による海面上昇であるというよりも、グローバル化による社会環境の変化にあるということが分かった。こうした点を踏まえ、自然・社会環境の破壊とグローバル化の関連をさらに明確にすべく、まず、Royal Society of Londonの図書館で、RodgersのAn Annotated Bibliography of the Natural History of Tuvalu(Ellice Islands)(1985)やOhdeらのThe chronology of Funafuti Atoll : revisiting an old friend.(2002)を読み、自然環境破壊の経過を確かめた。次にBritish Libraryでは、イギリスの植民地期の資料に焦点をあわせ、Mrs.DavidのFunafuti or Three Months on a Remote Coral Island(1913)、W.Wyatt Gill B.A.のJottings from the Pacific.(1885)、そして統治行政に関する雑誌であるJournal of Administration Overseasを調べ、植民地化に伴うグローバル化の中でのツバルの伝統とその変遷を探求することができた。国内においては、ポリネシア諸社会における「変化に対する適応」に関する比較研究を継続して行なうためオセアニア研究者との研究打ち合わせを実施した。 また4年間の成果として報告書『島嶼国ツバルの現実』(B5版80ページ)を作成した。内容は、第1章「ツバル概観」、第2章「フナフチの人々と生活」、第3章「地球温暖化」、第4章「ツバルにおける海面上昇問題」、第5章「変化への適応」である。
|
Research Products
(4 results)