2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロネシア環礁域生態系における環境変動の影響を類型化するための定量的調査
Project/Area Number |
19510254
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長嶋 俊介 Kagoshima University, 多島圏研究センター, 教授 (10164419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 茂人 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90164029)
桑原 季雄 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00225319)
河合 渓 鹿児島大学, 多島圏研究センター, 准教授 (60332897)
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Keywords | 環境変動 / アンケート調査 / 総合環境評価 / 気候変動 / グローバリゼーション / 社会変動不安 / 異常気象不安 / 地域インフラ評価 |
Research Abstract |
ミクロネシア環礁域生態系における環境変動(気候変動並びにグローバリゼーション)の影響調査を、今年度はヤップ本島・ポーンペイ本島での調査資料収集並びに予備調査に続いて、ポーンペイ州の離島ピンゲラップ環礁及びモキール環礁、本島を囲むサンゴ礁内部の沿岸域ウ村、さらに都市化の最も進んだ首都に存在する高校生の家族を対象に実施した。 方法は定量化のために関係機関を通じて諸統計・情報を入手するとともに、個別家庭を訪問して聞き取り調査を行うべく、アンケート調査票を作成して、総合的(健康・食生活・消費経済・環境変動不安・社会変動不安・人の移動・ライフスタイル変化・意識変化等)かつ各家庭・家族単位での具体状況を把握すべく、現地でカウンターパートも確保して調査を実施した。人口の少ない地域であるが悉皆に近い調査などにより各調査地定量化分析に必要な数の確保を実現した。またそれに加えて、各調査地の海洋環境・水産活動評価、陸上植生・農業活動評価、生活文化・精神生活比較評価、衛生・医療環境評価、地域商業活動・消費生活環境評価、地域インフラ・生産基盤・情報基盤評価などの資料を入手した。これを元にした地域類型比較(主成分分析・クラスター分析等)や各地域内の環境認識構図(因果関係を推定するパス・アナリス等)での、類型化と総合的知見を得るための作業に目処がついた。そのデータベースについても、公表を予定している。同一州内の地域比較知見が、一般的知見と出来るか慎重な扱いを必要とするため、現段階での環境変動の地域別評価は部分公表を行っている。その総合地域比較調査結果の分析は、次年度のヤップ州本島沿岸集落・州都高校生家庭と二つ以上の離島環礁の全データを得ての比較(今年度訪問予定も離島便プロペラ故障により延期したが確実に実施が可能である)とならざるを得ず、その整理作業と調査準備を続けているところである。今年度得られた総合的知見は、交通・流通の便不便の他、出身者移住先との関係、そして強力な環境被害体験、外部メディア文化との接触頻度、NGOや中央政府のリーダーシップによる支援・関与等社会政治構造が、その地域特性をより強く生み出していることがわかった。
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Research Products
(8 results)