2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロネシア環礁域生態系における環境変動の影響を類型化するための定量的調査
Project/Area Number |
19510254
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長嶋 俊介 Kagoshima University, 多島圏研究センター, 教授 (10164419)
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Keywords | 環境変動 / 地球温暖化 / グローバリゼーション / ミクロネシア / 学際研究 / 環礁地域 / 定量的調査 / 文化社会変動 |
Research Abstract |
本研究では、ミクロネシア連邦ポンペイ州環礁域調査(昨年度本島集落、モキール環礁、ピンゲラップ環礁)に引き続き、ヤップ州環礁域(本島2集落、ユルティ環礁ファララップ島、ファイス据礁)の調査を行った。環礁域生態系における環境変動(グローバリゼーション・地球温暖化)の影響を類型化するための定量的調査を行った。各種定量データとしては、社会経済統計の外、調査票による各家での聞き取りアンケートデータ並びに各専門分野別データを収集した。 グローバリゼーションインパクトは、想定通り本島集落側の方が強く、遠方に行く程弱くなる。グローバリゼーション不安度や影響度内容の関係性も定量的に捕捉した。 地球環境変動の環境インパクトは、本島側でも弱くなく、内容的地域的個別性がある。さらにグローバリゼーション不安よりは環境インパクト不安の方がより強い傾向があった。環境変動不安のみならず、その全不安要素間の関連性などについての定量的解析も行った。 個別的社会環境・自然環境生態系調査は、衛生環境・農耕植生・統治社会構造・宗教文化構造・経済ライフスタイル構造・海洋動物(サンゴ類など)・海洋植物(海藻類など)について行い、その定量的データも捕捉して、個別環礁域集落毎の全体生態系とその変容捕捉の基礎データを学際的に得ることが出来た。とりわけ、大型災害であるエルニーニョと台風被害痕跡、巨大社会インパクトとなった大型災害復興支援・食料石油価格変動・物量輸送の混乱・情報化進展がもたらした環境変動を具体的個別的定量的に捕捉出来たことの意義は大きい。
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Research Products
(13 results)