2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510264
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北原 淳 Ryukoku University, 経済学部, 教授 (30107916)
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Keywords | タイ / 外国人労働者 / 労働条件 / 生活条件 / リクルート制度 |
Research Abstract |
本年度の目的は、ミャンマーからタイヘの不法労働者の移住リクルート経路、労働・生活条件等について、従来の東部の調査地だけでなく、国境地帯において明かにし、両者の関係を明らかにすることにあり、そのために、従来の労働現揚の調査に加えて、国境地帯の移住経路、労働・生活の概観的調査を計画した。そして、国境地帯では、メーソート、メーサーイの2地点において計画通りの概観的調査を行うことができた。国境地帯の調査を夏休みに行ったが、調査地に移動する時間と経費を費やし、経費的に旧調査地の再訪調査が不可能となった。このため、春休みは旧調査地再訪に代えて、資料収集調査を行った。 国境地帯の調査は成果があり、以下のような諸事実を知ることができた。1)移住・リクルート経路は、東部の労働者と異なり、ミャンマー居住地が近距離のため、自主的な越境も可能で、自国人のコミュニティ形成も活発であること、2)したがって、労働者個人を現場に紹介するリクルーターの役割がそれほど決定的でないこと、3)業種も3K労働だけでなく各種の商売にまで広がること、4)3K的な業種では女性の労働者が多いこと、5)少数民族の政治的亡命者集団も多く、欧米のNGO援助を受けて独自の空間を作っていること、6)2地点を比較すると、前者は、歴史的な流通、交流関係もあって、ミャンマー人が地域社会に融和しているのに対して、後者は、少灘民族ごとの分断的コミュニティが地域社会から隔離している傾向があること、等々。こうした国境地帯での情報により、東部地域でえた外国人労働者の情報をかなり訂正することができた。そこで今後は、1地点に集中して、よりインテンシブな調査を行うことに決めたが、そのためのデータ、人的関係、地域情報はかなり準備された、といえよう。
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Research Products
(1 results)