2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代エジプト議会の歴史的展開に関する研究-議会議事録を資料として
Project/Area Number |
19510266
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
池田 美佐子 Nagoya University of Commerce & Business, 外国語学部, 教授 (80321024)
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Keywords | エジプト / 議会 / 中東 / 地域研究 / 議会議事録 |
Research Abstract |
本研究では、1世紀半におよぶ近代エジプトにおける議会の展開について議会議事録を中心に分析することを自的としている。昨年度に続いて本年度も、大きく分けてイスマーイール期・民族革命期、イギリス占領期、立憲君主制期、軍事政権期の4期にわたる近代エジプト議会の議事録のサンプルと各時期の議会法の資料の入手を続けた。また、イスマーイール期から立憲君主制期までのエジプト議会に関連する資料をまとめたMuhammad SubhiのTa'rikhal-Hayat al-Niyabiyya fi Misrはきわめて貴重な補足資料であるが、この2巻分を入手することができ、また残りの2巻も閲覧ができた。 議会の役割や機能の分析については、イギリス占領期の議会に関して集中的に行なった。まずは、この時期の議会の評価が一般的に低いことを再検討するために、同議会の成立の経緯と意図を明らかにした。これに関して、イギリスの政府文書であるParliamentary Papersを資料としてこの議会の設立に大きく係わったイギリス外交官ダファリンの報告書を主に分析し、さら補足として他の外交官の回想録も解明の手がかりとして検討した。さらに、同議会が与えられた権限を具体的にどのように行使したかを探るために、同じくParliamentary Papersを資料として、同議会に関連する報告を調べ、具体的な内容に言及するいくつかの例を得ることができた。今後はこれをもとに、実際の議事録を読み進めて、通説とは異なった同議会の実際の活動や権限の行使による政府への働きかけを分析する予定である。
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Research Products
(3 results)