2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における漫画の形成と漫画表象のジェンダー観点からの研究
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19510272
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
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Principal Investigator |
坂元 ひろ子 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (30205778)
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| Keywords | 中国漫画 / ジェンダー / 中国近代思想史 / 植民地性 / 異文化連鎖 / モダンガール / 梁白波 / 中国近代美術 |
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| Research Abstract |
本研究は、前近代では男性の独占的な文字文化が偏重されてきた中国史において、近代における漫画というジャンル、ことに20世紀前半までにおいて稀少な女性漫画家、梁白波を含む1920年代から40年代にかけての前衛的漫画家たちの作品群に、中国近代思想史研究の立場から着目する。そのうえでジェンダー視角からの分析をし、植民地性ともかかわる近代中国漫画の異文化連鎖的形成の様相・特質についての先駆的かつ深い分析を試みることを目的とする。
当該年度の夏までは、数年来、手がけてきたモダンガール表象研究においてすでに収集した漫画誌類のうち、1930年代に上海漫画会の張光宇が『時代漫画』の発禁処分から文学者の葉霊鳳と創刊した『万象』と王敦慶が創刊した『漫画界』の整理・分析を始めた。
夏以降、8月から1月末まで、ヨーロッパにおける中国研究の中心地のひとつ、オランダのIIAS(国際アジア学研究所、ライデン・アムステルダム)の研究員となり、各国からの研究者と交流をおこなった。なかでもイタリアの中国美術史研究者、Francesca Dal Lago氏(非西欧学研究所,ライデン大)からは美術史的なジェンダー分析手法について啓発をうけ、梁白波とその同時代の女性画家との比較から得られる知見などについても有意義な意見交換をはかることができた。また、オスロ大学(ノルウェー)、リヨンのENS・パリのCNRS(フランス)でのセミナーに招かれ、民国期上海を中心とするモダンガールの漫画表象および漫画を含む中国近代美術と伝統思想との関連について講演し、関連分野の研究者と交流をした。またその機会を利用して各地の図書館や中国や日本でも模倣されたヨーロッパ・ファッション関係の美術館で資料収集もおこない、オスロでは中国近代漫画の研究収集でも知られるChristoph Herbsmeier教授のコレクションをみることができた。
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Research Products
(3 results)
