2008 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化のアジアの看護師と看護教育-ジェンダーの視点から
Project/Area Number |
19510285
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
織田 由紀子 The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, 看護学部, 教授 (70119866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 慶子 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (90197575)
森谷 裕美子 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (40221709)
宮崎 聖子 福岡女子大学, 文学部, 准教授 (70401601)
上村 朋子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (30352347)
松尾 和枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (90389502)
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Keywords | ジェンダー / グローバリゼーション / 看護師 / アジア / 看護教育 / 国際移動 |
Research Abstract |
職業看護師の国際移動に関しては、送出国、受入国、いずれでもない国の3パターンがあることが確認された。今回の対象国でいえば、フィリピン、インドネシアは送出国、シンガポールが受入国、タイ、台湾がそのいずれでもない国といえる。日本も受け入れを始めたとはいえ、いずれでもない国に分類できる。看護師の国際移動の増加は、男性看護師の増加など、看護師に付与されていたジェンダーにさまざまな形で揺らぎをもたらしている。また、看護師の国際移動の増加やメディカル・ツーリズム、看護教育というサービス貿易の自由化の推進は、看護教育や看護師の育成形態にさまざまな形で影響をもたらしており、特に、看護教育の量的増加と質的高度化が共通してみられる。そのような中でも、国内の看護師の地位や待遇は、看護師の移動の選択に影響する。例え海外で看護師に対する労働需要があっても、国内の就業環境が悪くない場合は、国際移動は優先的には選択されていない。また、看護師の国際移動にあたって言語や文化は大きな障壁であり、英語を用いる国の方が送り出し、受け入れが多い。しかし、言語障壁は、移動する側より、受け入れ側、特に患者にとってより深刻な問題である。移動する側は英語教育の導入などで言語障壁を乗り越えられる。最後に、看護師が国際的に移動する理由は貧困や経済的理由に限らないことも明らかになった。看護師は一定の教育を必要とすることから、貧困層は看護師にはなれない。教育の機会や経験のために国際移動を選択する看護師が存在することも無視できない。
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Research Products
(7 results)