2008 Fiscal Year Annual Research Report
アリストテレスの「エネルゲイア」概念の形而上学おける現代意識の研究(II)
Project/Area Number |
19520013
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 久一郎 Chiba University, 大学院・人文社会学研究科, 教授 (60197134)
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Keywords | アリストテレス / 現実態(エネルゲイア) / 知識 / 性向(ヘクシス) / 形而上学 / 心 / 因果性 / 目的論 |
Research Abstract |
アリストテレスの「エネルゲイア」概念の行為・心の哲学、そして形而上学などにおける現代的な意義を検討する一連の継続研究の一部として、本課題は、形而上学、とりわけ目的論における意義を明らかにすること目指して開始した。 本研究の第二年度である20年度は、昨年度までに行ったこれまでの研究の振り返り、とりわけ「心の哲学」における目的論の確認の上に、その成果を論文「魂の発見」にまとめるとともに、心の問題とわれわれの知識のあり方に関する問いとして展開することにした。 知識のあり方についての問題と因果性、善の実在性についての問題は、アリストテレスにおける形相と質料の関係についての内的目的論をどのように理解するかという問題についてだけでなく、現代における物理学的世界理解と倫理の関係についての理解にとっても重要な意味を持っている。 因果性について、また、メタ倫理については、幸いにして本助成金によって、新たに出版された包括的なアンソロジーを購入することができ、現代における問題を参照にしながら検討することができた。 同時に、アリストテレスの『分析論後書』の翻訳を開始し、その荒訳を作成し、21年度を通じて検討することとした。
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