2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 時昌 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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Keywords | 中国哲学 / 術数 / 陰陽五行 / 唐代思想 / 陰陽道 / 五行大義 |
Research Abstract |
1 中世術数書の輯佚データベースの作成 『五行大義』『医心方』や『占事略決』等の陰陽道書に引用された中世術数書の佚文を集録し、輯佚データベースの作成を試みた。とりわけ、多数の術数書が引用されている『五行大義』の本文を、元弘相伝本の写真版から復元し、異体字処理を含む本文校訂作業を行い、引用書の本文データベースをほぼ完成させた。その成果の一部はHP上で公開しているhttp://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takeda/)。他の資料についても、いくつか電子テキスト化しており、今後も同様の作業を続行するつもりである。 2 術数書の諸技法の理論的考察 陰陽五行説の理論構造と中世における理論的展開を明らかにするために、『五行大義』『医心方』を手がかりとして、術数書に展開された九宮、孤虚、風角、納音等の諸技法や配当説の構造的把握を試み、その淵源を遡及的に考察した。そして、研究成果として研究論文2篇を発表した。また、中国科学思想史における術数学の役割について、日本科学史学会でのシンポジウムで口頭発表した。 3 術数書読解ワーキング、特別講演会の開催 データベース作成及びその内容的分析のために、中国哲学史、道教、科学史関連の研究者を集め、『五行大義』を会読する共同研究会を2006年4月より2007年1月まで月1回開催した。それとは別に『医心方』『春秋繁露』及び郭点楚簡・馬王堆帛書の『五行』に関する読解ワーキングをそれぞれ6回程度行った。また、7月21日(土)に水口幹記助教授(浙江工商大学日本文化研究所)を招いて、特別講演会を開催し、『天地瑞祥志』について講演してもらい、会読メンバーとともにそこに引用された術数書に関する討論を行った。
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