2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 時昌 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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Keywords | 中国哲学 / 術数学 / 陰陽五行 / 陰陽道 / 五行大義 |
Research Abstract |
(1)昨年度に引き続き『五行大義』の本文校訂作業を行い、引用書ごとの本文データベースを完成させ、HP上で公開した(http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takeda/)。また、『医心方』『占事略決』等の術数学基礎資料を電子テキスト化し、そこから散逸した中世の術数書を復原して佚文データベースを作成し、その一部をHP上で公開した。 (2)『五行大義』の読解を通して中世の陰陽五行説の展開を考察する共同研究会、陰陽道書や暦注資料に関する読解ワーキングを毎月1回開催した。また、12月20日には茨城大学に来訪中のベトナム漢喃研究所の丁克順(DINH KHAC Thuan)教授を招いて特別講演会を併催し、研究会の参加者に中国、韓国の研究者もまじえてアジア世界の術数学研究の現状と課題を討議した。 (3)『五行大義』『医心方』を手がかりとして、術数書に展開された諸技法や配当説の構造的把握を試み、中世における陰陽五行説の特色を探った。さらに中世の術数学が方術の理論との強い連続性を有することを視野に入れながら、術数学の理論的基盤に遡及的な考察を試みた。研究成果をまとめた論考は『東方学報』京都の2009年度号などに発表する予定である。また、『五行大義』をめぐる論考及び訳注については、研究論文集として公刊を予定している。学会発表については、日本科学史学会2008年会において、中国科学史研究における術数学研究の意義を提言し、天文学史研究会(談天の会)において暦注に関する研究発表をG.Leinss氏と共同で行った。大谷大学中国文学会における講演では、方術から術数学への変容について新出土資料を手がかりにした新考察を発表した。
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