2007 Fiscal Year Annual Research Report
『シュローカ・ヴァールティッカ』綱要書に基づく印度祭事哲学体系の研究
Project/Area Number |
19520051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本田 義央 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 助教 (80253037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 英世 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00169195)
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Keywords | 印度哲学 / ミーマーンサー / 六派哲学 / 存在論 / 認識論 / ヴェーダ / クマーリラ / 祭事哲学 |
Research Abstract |
本研究は,人間の倫理・宗教の源泉をインド最古の文献であるヴェーダ聖典に求めその超越性を哲学的に基礎づけようとしたミーマーンサー祭事哲学派の哲学的営為の全体像を,同派最大の学匠クマーリラの『シュローカ・ヴァールティッカ』に対する綱要書『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』と『マーナメーヨーダヤ』に基づき解明しようとするものである. 研究の目的達成のため,本年度は次の作業を行った.(1)原典読解.計画に従い,『マーナメーヨーダヤ』前半部(マーナ部)および『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』の対応箇所の既存刊本に基づく読解作業を行った.その作業を通じて,『マーナメーヨーダヤ』は『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』の要約とされるが,『マーナメーヨーダヤ』は議論がよく整理されているものの,『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』はそうではなく,両者の対応関係は単純ではないことが判明した.(2)関連文献のデータベース作成.ミーマーンサー学派研究において,いまだクマーリラとプラバーカラ派の主要著作のデータベースさえ整っていない現状に鑑み,再校訂の必要が指摘されてはいるが,現行の刊本にもとづく関連文献のデータベース化が必須である.本年度は既に準備されていた『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』と『マーナメーヨーダヤ』の修正作業およびクマーリラの『タントラヴァールティッカ』のデータベース化を行った. 以上の成果の上で,最終年度に予定している『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』と『マーナメーヨーダヤ』の再校訂及び翻訳研究の公表にむけて,両書の検討を継続する予定である.
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