2010 Fiscal Year Annual Research Report
『シュローカ・ヴァールティッカ』綱要書に基づくインド祭事哲学体系の研究
Project/Area Number |
19520051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本田 義央 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教 (80253037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 英世 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00169195)
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Keywords | 印度哲学 / ミーマーンサー / 六派哲学 / 存在論 / 認識論 / ヴェーダ / クマーリラ / 祭事哲学 |
Research Abstract |
インド正統哲学派のひとつミーマーンサー祭事哲学派は,人間の倫理・宗教の源泉をインド最古の文献であるヴェーダ聖典に求め,そのヴェーダ聖典の超越性を哲学的に基礎づけようとした.インドにおける真理論,言語論等は同派の思想を抜きにしては考えられない.本研究は,そのようなミーマーンサー学派の哲学的営為の全体像を,同派最大の学匠クマーリラ・バッタ(七世紀頃)の『ミーマーンサー・シュローカ・ヴァールティッカ』に対する綱要書『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』と『マーナメーヨーダヤ』に基づき解明しようとするものであった.具体的には,まず第一に,『マーナメーヨーダヤ』の初の和訳研究を行い、第二に現行の刊本の校訂が不十分な『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』を写本及び注釈『ヴャーキャー』を利用し再校訂し、第三に『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』和訳研究を行い、これらの作業を通じてミーマーンサー・シュローカ・ヴァールティッカ』の諸論点を明確に提示することをめざした。最終年度である本年度は、前年度までの成果の上で、研究協力者石村克氏の協力を得て、『マーナ・メーヨーダヤ』の翻訳研究を一応完成させた。『ニーティ・タットヴァーヴィルバーヴァ』については『マーナ・メーヨーダヤ』の翻訳研究の一部として『シュローカ・ヴァールティッカ』と同様に対応を明らかにすることに努めた。『マーナ・メーヨーダヤ』の日本語訳は初めてのものであり、祭事哲学体系の解明に大きな意義をもつ。さらに、『タントラ・ヴァールッティカ』のテキストデータベース化も継続した。これも祭事哲学研究の基礎ツールとして本研究のみならず今後も有用である。
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