2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡野 潔 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (80221844)
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Keywords | 仏教学 |
Research Abstract |
本研究課題は4年間で次の三つのテキストの研究を並行して行うことを目的とする:(1)『大いなる帰滅の物語』(MSK)の研究;(2)『菩薩の過去世物語の如意の蔓草』(BAKL)の研究;(3)『善説の大きな宝の過去世物語の花鬘』(SMRAM)の研究。 さて第三年度の平成21年度も、研究計画どおりに研究が進み、順調に発表がなされた。それは次のとおりである。 上記の(1)の研究として:『大いなる帰滅の物語』の作品全体の詳細な内容梗概を英文論文として、ドイツのIndica et Tibetica叢書の第52号『パーサーディカ比丘記念論集』に発表した。 上記の(2)の研究として:『菩薩の過去世物語の如意の蔓草』の第94章『ヤショーミトラ比丘』、第95章『雌虎』、第96章『象』と、第97章『亀』の四つの章の校訂ならびに翻訳を行い、『南アジア古典学』第4号(2009年7月発行)に発表した。また第50章の『十の業の連繋』の内容研究の発展として、初期大乗経典『大乗方便経』の並行的類似箇所の研究を行い、それを雑誌『哲学年報』に発表した。 上記の(3)の研究として:『善説の偉大な宝珠の過去世物語の花堂』の第23章ヤショーミトラの校訂テキストを『南アジア古典学』第4号の論文第二部(「生きながら餓鬼の業苦を味わった比丘の話」)に掲載し、このネパールのアヴァダーナマーラー文献をアヴァダーナ・シャタカと比較した。また本年度は校訂作業をさらに第31章『ある長者のアヴァダーナ』の完成まで進めた。
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Research Products
(4 results)