2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520063
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
保坂 俊司 Reitaku University, 国際経済学部, 教授 (80245274)
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Keywords | 現状三蔵研究 / 中国社会科学院 / 共産主義と仏教 / 廃仏毀釈 / ベトナム仏教 / 仏教と政治 / 共産主義と仏教 / 近代以降の仏教 |
Research Abstract |
インド仏教の衰亡に関する基礎的研究の初年度に当たる本年度当初はパキスタンへの調査旅行を計画していたが、パキスタン国内情勢の悪化のために、本研究の急遽比較対象研究として、インド周辺国における仏教の盛衰に関する調査研究に切り替え、今年度は中国とベトナムに関する現地調査と資料収集を行った。特に、中国においては中国社会科学院の名誉主任である黄心川名誉教授並びに、同研究院哲学研究所主任孫晶教授、並びに西北大学仏教研究所所長李利安博士など中国を代表する仏教学者、仏教研究所において情報交換を行うと共に、今後の研究のための交流関係を構築する事が出来た。特に、中国社会科学は、黄教授・孫教授を中心に、2008年中国香港で、玄奘三蔵に関する国際会議を関催し、受給者も招かれ、研究の一端を報告した。 また、ベトナムにおいては、主にホーチミン市における仏教の現状を調査し、あわせて他の宗教との習合関係についても、調査した。今回の目的は、中国・ベトナムと共産主義政権であり、宗教は嘗て激しく弾圧されたが、その後の関放政策で仏教をはじあとして他の宗教はどのような状況におかれているかを現地調査によって体感使用とするものであった。特に、中国の仏教界の近代以降の状況は、仏教(宗教)を政治的にコントロールする伝統を持つ中国における仏教と政治の関係、それはまさにインドとは異なるが、仏教の盛衰研究史の典型的な事例である。今回の研究で、アジア各地の仏教衰亡研究を有機的に結びつける本研究プロジェクトの初年度としては大きな成果が得られた。
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